世界選手権で躍動!  個人「銅メダル」、団体「銀メダル」を獲得!(2018-08-30 11:02:45)

8/9~19にイギリス・リヴァプールにて「BISFed 2018 World Boccia Championships(2018世界ボッチャ選手権大会)」が開催されました。世界選手権大会は4年に1度開催されるパラリンピックと並ぶ世界最高峰の大会で、杉村選手は個人戦と団体戦に出場し、個人で銅メダル、団体で銀メダル獲得の快挙を果たしました。

個人戦は、各クラス32名が出場し、8つのプールに分かれて予選ラウンドが行われました。BC2クラスの世界ランク10位で臨んだ杉村選手は、スロバキア、韓国、コロンビアの選手と対戦しました。
予選ラウンドは、初戦から戦いづらいアジア勢の韓国選手と当たりましたが5-1で下し、幸先の良いスタートを切りました。2戦目のコロンビア選手には14-0と圧勝、3戦目のスロバキア選手は杉村選手よりもランク上位の相手でしたが5-3で勝利し、3戦全勝で決勝ラウンドに進みました。

決勝ラウンドは、1回戦でスペイン選手と対戦し4-3で勝利して準々決勝(ベスト8)に進みました。続く準々決勝は今大会世界ランク1位と2位の選手を倒して勝ち上がってきた好調のポルトガル選手と対戦しましたが、相手のロング戦術に乱されることなく対応し5-2で勝利して準決勝にコマを進めました。
準決勝は、優勝候補の一人である世界ランク3位のタイ選手と戦いました。今の実力差では普通にやっても勝てない相手に対し自ら仕掛けて勝負に出ましたが、精度の高い投球術を前に攻め入る隙をも作り出せぬまま0-8で敗れました。
気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦は、予選ラウンドで戦ったスロバキア選手との再戦となりましたが、チームメイトからの熱い声援の中で最後まで戦い抜き5-1で勝利を収め、世界選手権では2度目となる価値ある銅メダルを獲得しました。

 
団体戦(Team BC1-2)には16ヶ国が出場し、4つのプールに分かれて予選ラウンドが行われました。世界ランク2位の日本は、イスラエル、ロシア、ポルトガルと対戦し、予選ラウンドは危なげなく3戦全勝で決勝ラウンド(ベスト8)に進出しました。
日韓対決となった準々決勝は、1点を争う大接戦となり、3-3で迎えた最終第6エンドにBC1中村拓海選手の一投で準決勝への道を切り開きました。続く準決勝もアジアのライバル中国との対戦となり、この試合も第5エンドを終えて5-5の同点という手に汗に握る緊迫した状況で杉村選手が決めた渾身の一投が日本に勝利をもたらし、世界選手権では初の決勝の舞台にコマを進めました。
薄暗い会場の中、一つだけライトに照らされたセンターコートで行われた決勝戦。その相手は、やはりリオパラリンピックの金メダルチームのタイでした。
ここ最近の対戦成績は互角とあって、絶対王者に対しても臆することなく戦いに挑んだ日本は、第4エンドまでで3-2とリードする展開を見せました。しかし、第5エンドで一瞬の隙をつかれて3点を失い、最終第6エンドで1点を返すも一歩届かず4-5で敗れました。
それでも、世界選手権では過去最高順位となる銀メダル獲得となり、惨敗を喫したリオパラリンピック決勝から2年、世界選手権の決勝という大舞台でタイと大接戦を演じた日本の成長と強さ、2020東京パラリンピックへの期待を感じる素晴らしい決勝戦でした。

杉村選手、火ノ玉JAPANの皆さん、お疲れ様でした。


<杉村選手コメント>
東京大会前の重要な大会と位置付けていました。世界選手権に向けて取り組んできた課題や磨いてきた技術を試合の中で発揮、克服でき、結果にもつながってよかったです。この大会で得た収穫はより一層自分のものとしていけるように、また、課題と向き合いながら、東京大会での金メダルをめざして頑張っていきたいと思います。


|BISFed 2018 World Boccia Championships リザルト|

■Individual BC2 - Hidetaka Sugimura (世界ランク 10位)

予選ラウンド Pool G
第1試合      Chungho Lee (KOR)(世界ランク 26位)       勝 5-1
第2試合      Gregorio Meneses (COL)(世界ランク 30位) 勝 14-0
第3試合      Robert Mezik (SVK)(世界ランク 7位)     勝 5-3

決勝ラウンド
ベスト16  Raul Marti (ESP)(世界ランク 28位)       勝 4-3
準々決勝  Cristina Gonçalves (POR)(世界ランク 17位)    勝 5-2
準決勝  Worawut Saengampa (THA)(世界ランク 3位)    負 0-8
3位決定 Robert Mezik (SVK)(世界ランク 7位)        勝 5-1

結果:第3位


■Team BC1-2 - Japan (世界ランク 2位)

予選ラウンドPool B
第1試合  Israel (世界ランク 16位)          勝 7-1
第2試合  Russia (世界ランク 11位)           勝 7-4
第3試合  Portugal (世界ランク 7位)          勝 11-1

決勝ラウンド
準々決勝  South Korea (世界ランク 9位)        勝 4-3
準決勝  People's Republic of China (世界ランク 14位)  勝 6-5
決勝    Thailand (世界ランク1位)             負 4-5

結果:準優勝